経済対策面からもインボイス制度導入の見送りを

 2022年10月07日

(第572・573号合併号)

 ロシアのウクライナ侵攻による、いわゆる「ウクライナショック」が我が国の国防に対する意識や暮らしに大きな影響を与えている。国際ルールや秩序を犯すことは許されないということを知らしめるべきである。ウクライナを擁護することは国防が脆弱な我が国の国益にも繋がる。自由と平和の中で経済活動ができるということを改めて考えさせられる。

 さて、欧米がロシアに対する経済制裁を強化したことによってエネルギーや穀物などロシアに依存する資源・農産物の価格が上昇している。物価高は国民の暮らしを直撃し、とくに低所得者層にインパクトがある。高所得者はガソリン代が1ℓ@20円上がったところで生活に困窮することはまずないだろうが、生活に直結している層にとっては大ダメージである。「みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、食料やエネルギー価格上昇の家計の負担率は年収300万円未満の世帯は同1千万円以上の約4倍で、消費増税3%に匹敵するインパクトがあるという。」(朝日新聞)。政府は①原油高②食料・資源高③中小企業支援④困窮者支援の4分野を柱とする緊急対策や、食料、資源の物価高には多様な調達先の確保をめざし、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除や代替策も検討のうえ、当面の財源にはコロナ対策の5兆円を含む総額5兆5000億円の予備費を充てるようだ。物価が上がれば事実上消費税の増税と変わらない。経済対策によってピンポイントで困った層に給付ができるのなら、消費税の低所得者対策としての給付措置もできるはずである。例えば、ここは当面、消費税の税率を一律8%の軽減税率によって単一税率とすればこのような状況の中であえてインボイス制度を導入する必要もなくなる。その後のことについては、コロナや戦争の状況をみて考えれば良いのではないか?

 最も支援しなければならない免税事業者に増税や減収を誘発するインボイス制度の導入を見送ることのほうが経済対策になると思うのだが。