言葉の意味の変化

 2021年11月15日

(第564号掲載)

 2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が発表された。ドラマの主人公は承久の変で北条氏の執権政治を盤石なものとした義時のようであるが、鎌倉殿といえば、あの徳川家康も人生の範としたといわれる源氏の棟梁、源頼朝公である。鎌倉幕府の成立は「いい国(1192)作ろう」と覚えたものだが、近年では守護・地頭を設置した1185年が幕府成立としているようだ。つまり、「いい箱作ろう」に変わったわけだ。さらに、頼朝公の肖像画までが本人のものでないという説もある。この他にも聖徳太子や西郷隆盛等々お馴染みの肖像画も本人のものではないと…。時代が進むにつれ昔は当たり前だったことが、今は違うということに驚くばかりである。言葉についても昔使っていたものが、今は違う意味として使われていることもある。例えば「確信犯」は本来的には宗教、政治的に信念をもってなされる犯罪行為のことだが、一方で今では、犯罪行為でなくとも悪いことであるとわかっていながらなされる行為として使われることが多いようである。逆に、同じ意味でありながら言葉が変わっていくものもある。「国民総背番号制度」→「マイナンバー制度」、国民一人一人に付番するという意味では同じである。ただし、時代や政権の移り変わり、また国民の意識によってその機能や利用方法等は変化するやもしれない。プライバシーの保護、情報管理等、国民にとって有用で安全なものでなければならない。政府が「確信犯」でないことを祈るばかりである。