若い世代への広報活動
(第598号掲載)
令和4年税理士法改正では受験資格要件が緩和されました。これにより令和5年4月1日以降に実施される税理士試験から簿記論・財務諸表論については、受験資格要件がなくなり誰でも受験することが可能になりました。税法科目については、法律学又は経済学に属する科目の履修が必要でしたが、社会科学に属する科目の履修に変わりました。社会科学に属する科目は、法律学又は経済学に属する科目のほか、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等の科目が該当します。
この受験資格要件の効果について受験申込者数で比較してみますと改正前の令和4年の申込者数は36,852名、令和5年が41,256名、令和6年が43,919名と申込者数が増えその効果が表れていることがわかります。しかしながらピーク時の受験者数にはまだ長い道のりが残っています。
そこでこの受験要件の緩和と税理士界の将来についてMicrosoftが提供するAIの「Copilot」に質問してみました。
まず、「税理士試験の緩和について」と質問すると以下の回答を得ることができました。
「税理士試験の受験資格が緩和されたことで、いくつかの重要な効果が見られます。まず、受験者数の増加が期待されています。これまでの厳しい受験資格が緩和されたことで、より多くの人が税理士試験を受けることができるようになりました。
また、税理士業界全体の平均年齢が引き下げられる可能性があります。若い世代が試験を受けやすくなったことで、業界に新しい風が吹き込まれることが期待されています。
さらに、多様な人材の確保が進むと考えられます。これまでの受験資格の制限が緩和されたことで、異なるバックグラウンドを持つ人々が税理士を目指すことができるようになり、業界の多様性が向上するでしょう。
このように、税理士試験の緩和は業界にとって多くのポジティブな影響をもたらすと期待されています。あなたはどう思いますか?」
また、「税理士の高齢化について」と質問してみると
「税理士業界の高齢化は、いくつかの要因によって進行しています。まず、税理士の平均年齢が約60歳と高齢化が進んでいることが指摘されています。これは、税理士試験の受験者数が減少し、特に若い世代の受験者が少ないことが一因です。
また、税理士試験の合格者の多くが40歳以上であることも高齢化の要因となっています。さらに、税理士業界には定年がないため、長期間にわたって業務を続けることができる点も高齢化を促進しています。
このような状況の中で、税理士業界は若手の育成と多様な人材の確保が求められています。あなたはこの問題についてどう思いますか?」
更に、「税理士の未来像について」と質問してみると次のような回答でした。
「税理士の未来は、技術の進化とともに大きく変わるでしょう。AIや自動化技術の導入により、税理士の業務はより効率的かつ正確になることが期待されています。これにより、税理士はより高度なコンサルティング業務や戦略的なアドバイスに集中できるようになるでしょう。
また、デジタル化が進むことで、税理士はリモートでの業務が増え、地理的な制約が減少することが予想されます。これにより、より多様なクライアントにサービスを提供する機会が広がります。
さらに、税制や規制の変化に迅速に対応するための継続的な学習が求められるようになるでしょう。税理士は、最新の知識とスキルを持ち続けることで、クライアントに対して最適なサービスを提供することができます。
このように、技術の進化とともに税理士の役割は進化し続けるでしょう。あなたは税理士の未来についてどう思いますか?」
「Copilot」からの回答は、いくつかの課題はあるものの全体的にポジティブなものでした。そして課題としては、若手の育成と多様な人材の確保が求められており、これは税理士試験へのファーストタッチを早めることにより解消していくことと思います。そのため、税理士の魅力をいかに伝えることができるか、自身の職業選択の機会で税理士がその選択肢として上がるのか、その為の広報活動が重要になってくると思います。租税教育や各種学校との連携も大切な広報活動ですが、税理士像をもっと魅力的なものへと推し進めるブランディング戦略的を検討しても良いのではないでしょうか。結果を出すためには、一貫性のある広報戦略が必要ではないでしょうか。