「論」中小零細事業者は消費増税に耐えられるのか!

(税界展望 第532号)2018年(平成30年)4月11日

1.税理士会の意見

東京税理士会から会報(東京税理界NO.735)とともに「平成31年度税制及び税務行政の改正に関する意見書」が届きました。重要な改正要望事項として消費税について「消費税の軽減税率に反対する」と「適格性請求書等保存方式の導入に反対する」が記載されていますが、消費増税については触れていません。消費増税については反対することなく、容認しています。これは日本税理士会連合会も同じく昨年6月22日に開催された理事会で決定した平成30年度税制に関する建議書では消費税については税率引上げを容認し、「今後の税制改正についての基本的な考え方」として「消費税は我が国の基幹税であり、これからの我が国の社会保障4経費(年金、医療、介護、子育て)を支えるのは、消費税である。消費税率の引上げによる国内消費の減速懸念の問題については慎重な対策が必要であるが、消費税率は予定どおり引き上げられることが望ましい。」としています。しかし前回の消費税引上げが個人消費に与えた影響や税率引上げによる物価上昇による影響は小さくありません。消費税率を引上げなければ中小零細事業者が負担する軽減税率(複数税率)制度の導入は必要ありません。

2.経済財政諮問会議の課題

先の総選挙において連立与党の圧勝を受けて、消費増税は民意を得たと言うことができるというかもしれません。しかし改めて消費増税についてはたして中小零細事業者は負担に耐えられるのでしょうか。平成30年2月20日の経済財政諮問会議の今年前半の主な課題・取組について、「来年10月の消費税率引上げの影響に対する予算を含めた万全の対応」を挙げています。首相は「平成26年の消費税率引き上げ時の経験に鑑み、欧州の事例にも学びつつ消費税率引き上げによる駆け込み需要と反動減といった経済の振れをコントロール、需要変動を平等化する具体策を政府一丸となって検討する必要がある。」と述べています。消費税率引き上げに伴う経済の落ち込みはどの程度になり、また政策的にどう対応するか課題となって、消費増税についての議論は、消費税率の引き上げの前に価格を引き上げるべきという意見が出ています。しかし税理士、税理士法人の主な顧客である中小零細事業者は自社の都合で価格を引き上げることができる商品、製品やサービスを通常は持ち合わせていません。

3.消費税の導入の歴史

消費税の歴史を再確認してみると、日本では消費税は社会保障の捻出や財政再建のためなどと言われていますが、消費税(付加価値税)はフランス政府が1954年に国内の輸出企業にリベート(還付金)を渡すために編み出した税制で、GATT(関税貿易一般協定・貿易WTOの前身)の例外規定として認めさせてきた歴史を持ちます。先月(第531号税界展望「論」の通り、先進諸国で消費税を採用していないのは米国だけで、米国には小売売上税はありますが、これは州税で、消費税とは全く異なる税制です。消費税には輸出企業へのリベート機能はありますが、小売売上税にはありません。日本の消費税が輸出企業へのリベートであることは導入以降の歴史が証明しています。消費増税は消費を後退させ中小零細事業者の負担は重たくなります。

4.消費増税は凍結に

経済財政諮問会議では「前回の消費税引上げが個人消費に与えた影響は、税率引上げによる物価上昇を通じた影響は2兆円台半ば程度、駆込み需要の反動による下押しは3兆円程度(平成27年度経済財政白書)。また、デフレマインドが残る中での名目賃金の伸び 悩みも消費を下押しした。物価上昇に伴う実質所得減の影響、税率引上げ前後に生じる駆込み需要とその反動に留意する必要がある」としています。

一説では会社が設立されてから10年後の生存率が6.3%といわれています。消費の停滞を脱し切れずにいるあいだは消費税率10%への引上げを凍結し、税率をもとの5%に戻すぐらいの英断が国民の消費を増やし中小零細事業者に元気を与え、経済は活性化するのではないでしょうか。

「論」消費税は貿易自由化の妨げになる?

(税界展望 第531号)2018年(平成30年)3月19日

トランプ大統領が、鉄鋼とアルミニュウムの輸入に新たな関税をかけることを決めた。鉄鋼は25%、アルミニュウムは10%の追加関税がかけられる。この一方的な輸入制限の発動について、自由貿易体制を危うくすると他国から批判が相次いでいる。

しかし、米国と日本の税制でこの問題を考えると、日本の消費税の値上げは、米国にとって関税を上げるのと同様に感じられると予想される。

消費税値上げ時には、いま日本が米国に向かって行っている非難は、同じように米国から日本に向かう。当然トランプ大統領は消費税アップに反対する。こう考えると日本の消費税率10%引き上げを阻止できるのはトランプ大統領だけではないか?

10%の消費税アップが止まれば、われわれ皆が反対している税率アップに伴う軽減税率導入、その後のインボイス制度導入も行われなくなる。

私はこの一点のみをトランプ大統領に期待する。

 

1.日本との自動車貿易が不公平?

トランプ米大統領が就任当初、日本との自動車貿易が不公平だと批判し、貿易赤字を解消するために二国間の協議に乗り出すことを示唆した。

この言動に対し日本側は、乗用車の輸出関税は、米国の2.5%に対して日本はゼロだ。トランプ氏の時代錯誤の認識に耳を疑う、との見解である。

しかし、トランプ氏の発言は、日本と米国との税体系の違いに言及しているのだとしたら筋が通ってくる。

 

2.アメリカには消費税はない?

付加価値税・消費税は今や世界の約140カ国で採用されている税制度である。ただし、その中に米国は含まれていない。なぜ米国だけが採用を見送り続けているかを考えるポイントとして、付加価値税に組み込まれた輸出企業への還付金の存在がある。

消費税の大原則として、課税をするのは消費をした土地でなくてはいけない、という「仕向地原則」が存在する。そして、輸出企業は価格に転嫁できない(輸出売上にゼロ税率をかけた額、もちろんゼロ)唯一の例外として取り扱われ、仕入れにかかった税金を還付してもらえる。

このように、消費税については国境調整として、輸入品には課税、輸出品には還付金(リベート)は当然の認識になっている。

米国で政治家やメディアが消費税について語るときは誰もが「消費税?ああ、輸出企業へのリベート(還付)がある税金ね」というくらい認知されており、「消費税導入をしたって、結局は関税引き上げの競争になってしまうだけだからナンセンス。」という意見につながっている。(文春新書「アメリカは日本の消費税を許さない」岩本沙弓著 参照)

 

3.5兆円強が巨大輸出企業に還付され続けている

8%現在で還付金が1番多いのはトヨタ自動車で3,231億円、2位の日産自動車には1,190億円、3位のマツダには662億円、4位の本田技研工業には619億円と自動車産業が続く。6位の三菱自動車にも512億円の還付金がある。2014年4月から税率が5%から8%に上がったため、これらの大企業の還付金額は大幅に増加した。国税庁の発表によると2016年4月から2017年3月期における消費税及び地方消費税の還付金額は5兆4,322億円となっている。

輸出大企業は消費税を納税しないばかりか5兆円を超える還付金をもらい続けている。そして還付金の原資はトヨタなどの輸出企業ではなく、下請け先や仕入先が税務署に納付した消費税である。

 

4.消費税率引き上げは非関税障壁引き上げ?

米国は消費税を導入していないので、日本の100万円の車を米国で売るときは、100万円と関税2.5%で102万5千円である。米国の100万円の車を日本で売るときは、関税ゼロといっても消費税がかかり108万である。そのうえ、日本の100万の車を作った輸出企業には8%の還付があるので米国よりもずいぶん原価は安くなる。

日本の消費税が8%から10%に引き上げられれば、日本に入ってくる輸出品の価格は全て2%上昇する。米国からすれば、自国製品が2%値上がりする。その上、日本の輸出企業に対して還付金が2%多く支払われる。

消費税率引き上げは非関税障壁引き上げになり、米国製品は売れなくなる。

 

5.今後予想される展開

トランプ大統領の鉄鋼とアルミニュウムに輸入関税を課すことに際し、各国は世界貿易機関(WTO)に提訴できる。

しかし振り返ってみると、GATTは、輸出企業に対して補助金を出すことを禁じており、その盲点を突くようにできたのが消費税である。それゆえ、米国は消費税を不公平税制として採用していない。消費税がある国はトランプ大統領に意見を言えないのではないか。

加えて言うなら、輸出の低迷を保護主義によって解決しようとするトランプ大統領に、非関税障壁になって例外的に認められている消費税をWTOから取り除くほうが現実的で米国の正義を貫く方法では、と訴えたい。

「論」税理士業務とAI

(税界展望 第530号)2018年(平成30年)2月8日

年末調整の一連の業務が終了する1月末に、今後AIを会計業務でどのように利用していけばいいのかを考えてみたいと思う。住民税の特別徴収を徹底するということで今後は、零細企業も住民税を給与から天引きせざるを得なくなってきた。給与支払人数が2名以下であれば東京はまだ普通徴収を認めるようであるが、他県では給与支払人数が1名であっても特別徴収を徹底するということである。普通徴収では住民税の徴税コストがかさむのだろう。会社に住民税相当の給与の差し押さえ通知が来るという話もよく聞く。市区町村としては、徴収そのもののコストも会社に負ってもらいたいということが本音だろう。

また社会保険に加入していなかった零細企業は年金事務所から加入を促され、多くの零細企業が加入することとなった。加入はもちろん義務であるのだが、社会保険料を自分で計算して給与を支払うことのできない零細企業が続出した。源泉所得税の計算のように毎月の給与の額で社会保険料の控除額も決まると思っている経営者もいて、給与の支払額が間違っているのを訂正するのにも苦労をした。今後はこれに住民税の控除が加わる。所得税は国に対しての一か所の支払いだから間違いようがないが、住民税は複数の支払先となるので、支払いを間違えると預り金勘定が一致しなくなり、後でのチェックが大変になってしまう。更に従業員が退職した場合には、給与所得者異動届出書を作成できない会社も多いだろう。いままで会計事務所は従業員が退職した際に連絡をもらうことは少なかったと思う。今後は会社で異動届出書を提出できるように指導したいのであるが、めんどうくさいので先生のところでやってもらえませんか。という要望がすでに2社ほどでてきた。記帳代行業務から自計化へ移っていったのと同様に、給与計算業務もタイムカードからICカードを利用することによって業務時間の短縮が図られている。会計ソフトのベンダーも給与計算がいかに不効率に行われているかが分かっており、会計事務所が年末調整、給与支払報告書の提出までをスムーズに進められるようソフトウェアの開発が進んでいる。

しかしである。一番の問題は少人数の従業員しかいない零細企業の給与計算が問題なのである。ある程度の規模の企業はすでに給与計算は自前でできている。今後は会計事務所が給与計算のチェックもしていかなければならいため、税理士報酬がそれほど望めない会社ほど手間がかかることになる。

本来零細企業などでAIを利用して業務の効率化を図りたいところなのであるが、実際にはなかなかアナログから脱却できない。例えば銀行取引はネットバンキングを行っていれば自動的に取引を仕訳に取り込むことができるのだが、法人の場合にはネットバンキングの利用料金は月2,000円かかる。これが高いということで零細企業には導入されない。さらに給与計算などもクラウドで行えるソフトが登場しているが、1人会社の場合には月々450円の利用料でも「エクセルで自分でやってみる」ということで利用してくれない経営者もいる。そのエクセル計算も間違っていたりして、年末調整を考えれば結局会計事務所が1月から12月まで給与データを再度入力しなおすことになる。小規模な飲食店はアルバイトの計算だけでも大変である。コクヨの手書きの給与明細が売られているが、源泉・社保・住民税を計算して記入するだけでも手間である。現在での解決策としては料金はかかるがクラウドの給与ソフトにすることが一番であると思う。何とかこちらに移動してもらえるよう提案しているところである。また給与計算だけではない。来年には消費税の軽減税率が始まる予定であるが、また零細企業の記帳業務に滞りが起こるに違いない。本当に導入はやめてもらいたいものである。

AIが会計事務所の仕事を奪うという話は有名であるが、お客様がAIを利用して業務の効率化を進めていくには、会計事務所の最初のサポートが重要である。常にサポートし続ける必要はなく、とにかく使えるようになってもらうことである。零細企業にAIが浸透して会計業務が自動化されれば、会計事務所の職員が大半の時間を費やしている業務はなくなることになる。これと税理士業務がAIでなくなることとは別の問題である。会計事務所の職員の採用は困難を極めているので、AIの力をつかって極限まで業務を効率化することで人材不足を補っていくことになるだろう。

「論」税理士法第40条「事務所の設置」

(税界展望 第529号)2018年(平成30年)1月19日

税理士法第40条は「税理士及び税理士法人は、税理士業務を行うための事務所を設けなければならない。」とし、同条第3項で「税理士は、税理士事務所を二以上設けてはならない。」と定めている。この場合の「事務所」とは、継続的に税理士業務を執行する場所をいい、該当するか否かは、外部に対する表示の有無、設備の状況、使用人の有無等の客観的事実によって判定する(通達40-1)とされている。

二個所事務所の禁止は、昭和55年改正で定められたものだが、ちなみに改正前の第40条は、第1項で「税理士は、税理士業務を行うための事務所を設けなければならない。」と規定し、第2項では「税理士は、税理士業務を行うための事務所を二以上設けてはならない。但し、特に必要がある場合において、大蔵省令で定める手続きにより国税庁長官の許可を受けたときは、この限りでない。」とされていた。つまり二個所目の事務所は公認されていたのである。

事務所の設置を義務付けるのは、税理士又は税理士法人でない者による税理士業務の提供を排除し、国民誰もが安心して税理士又は税理士法人の門戸を叩くことができるよう、その利便に資するためと解説されている。

また、税理士一人一事務所に限ることの趣旨は、税理士の業務活動の本拠を一個所に限定することが、法律関係を明確にする上で便宜であること、及び個人の監督能力を超えて業務の範囲を拡大することを事務所の面から規制し、これにより税理士以外の者が税理士業務を行うことを防止することにあるとされている。

ここで言う税理士業務は、税理士法第2条第1項に規定する、税務代理、税務書類の作成、税務相談を意味し、税理士の独占業務(第52条)である。
従って税理士業務を行うのは税理士であり、税理士が税理士業務を行うにあたっての執務場所については、税理士法は何ら制限はしていない。自己の税理士事務所は当然のこと、顧客先でも、税務相談会場でも、時に繁忙等のため自宅へ仕事を持ち帰って行うことも差支えはない。

ただし、自宅で執務することが常態化し、自己の事務所へは必要な時だけ出かけるような状況になった場合は事務所の変更登録の手続きを行う必要がある。

一方で、税理士が、税理士業務を行うため使用人その他の従業者(以下職員等という)を使用することがあるが、職員等が行う業務は、税理士業務そのものではなく、その補助業務と考えられている。この場合には使用者たる税理士に、税理士業務の適正な遂行のために、職員等を監督する義務(第41条の2)が生じる。この条文も昭和55年の税理士法改正で新たに設けられたもので、税理士法人にも準用される。

当時の衆院大蔵委員会における審議のなかで、使用人監督義務規定に関して概ね次のような質疑応答があった。

野党議員:

依頼者やあるいは対外的な迷惑をかけた場合には、これは民法の使用者責任で、内部的には、就業規則や雇用契約上の問題として、民法、労働法の範囲内で賄えるはずであります。なぜ41条の2が特に新設されたのかという理由が分からない。今度の改正案では、事務所は一個所ということになるわけですね。雇う人数は制限されていないけれど、場所的には常に税理士先生のいる場所で事務所が営まれることになるわけで、監督し、あるいは責任を負うことに十分なはずでありまして、そういう点でこの監督をしなければならないという規定を置くことによって、この規程に違反した場合には一般的懲戒処分ですから、威嚇的な感じを持つのではないか。

政府委員:

一人の税理士がどこまで目を通せるかという実態論があります。しかも代理関係で税理士が自分の責任でやる立場なんですね。特に税の場合についてはその税理士として十分な監督をして欲しいというのは、依頼者からの要請であろうと思います。また、いろいろな非違事件が起きています。内容としては、にせ税理士が件数として一番多い。なかには使用人が贈賄に係わっておるとか、脱税相談に係わったものもあるわけです。使用人が非違事件を起こさないようにしてほしいというのは、我々の立場でもありますが、納税者からの当然の要請でもあろうと思います。

税理士はこのように事務所の設置及び使用人等に対する監督義務の規定を踏まえて税理士業務を適正に執行することを求められているが、これらの規定が審議されてから40年近い時が経過した現在、ICT、AI等を含めた環境の変化は大きなものがある。働き方改革が叫ばれているなか、勤務時間、勤務場所等の勤務形態もSOHO、在宅勤務等多様な選択肢が考えられるのではないか。
税理士法人には支店の設置が認められている。個人事務所の支所は検討に値しないのか。
モバイル機器により、いつでもどこでも業務を行なえる状況が実現した今、監督義務の具 体的な指針が必要なのではないか。

「論」税理士研修制度について

税理士研修制度について

(税界展望 第528号)2018年(平成30年)1月1日

(1)研修義務化について


税理士は、税理士法第1条の税理士の使命を達成するため、高度な見識と高い倫理観を保持しなければならない。税理士の研修受講義務化については、先の税理士法改正においては見送られたが、日本税理士会連合会において、国民・納税者の税理士及び税理士制度に対する信頼を確保する観点から、自らを律するため会則・規則等により、税理士会等が行う一定の研修を、一事業年度に36時間以上受講しなければならないとその受講を義務化した。(東京税理士会会則59条及び研修規則第5条)

一定の研修とは、全国統一研修会・登録時研修・公開研究討論会・税理士会、支部が主催又は共催後援する研修・税理士会等の関連団体の主催共催する研修・税理士会が認定した研修・そのほか税理士会が必要と認めた研修とされている。また研修科目については、
①税理士法その他職業倫理に関するもの ②租税法及び会計に関するもの ③公益的業務に関するもの ④情報処理に関するもの ⑤法律、経済、経営その他税理士の業務の改善進歩及び資質の向上に役立つと認められるものと規定されている。そのほか具体的な研修時間の取扱い・受講義務の免除・受講時間の申請及び通知・受講時間の公表などが規定されている。税理士会員には、「研修諸規則Q&A」や「研修ガイド」が配布されており、その内容が確認できる。

一事業年度36時間以上の研修の受講できなかった場合は、原則的には会則遵守義務違反となる。現在その遵守義務違反に対する罰則規定はない。

(2)研修受講の現状


一事業年度36時間以上の研修時間義務化は、平成27年度は、研修受講義務の周知徹底・平成28年度から施行された。東京税理士会の資料によれば、平成27年度の受講義務達成者数の割合は34.47%、平成28年度の割合は37.64%となっている。周知の効果があったのか多少増加した。平成29年度中間(9月)で受講義務36時間上達成者の割合は10.16%、平成28年度の中間は11.94%である。平成29年10月に受講時間が0.5時間から35時間までの会員に「平成29年度研修受講時間のお知らせ(中間通知)」を郵送した。

対象会員については、今事業年度残りの平成30年3月までに36時間以上を達成していただきたいとの趣旨である。平成29年9月末現在で、受講時間36時間以上達成の会員及び受講時間0時間の会員にはこの通知を省略した。達成した会員についての省略はいいとしても、中間で受講時間0時間の会員に何も通知しないのは如何なものかと考える。0時間の会員にも通知しその状況を把握する必要があるのではないだろうか。

①税理士会等が定める一定の研修は受講していなくとも、税理士法人等の社内研修又は市販のDVDの視聴などによる研修をしている場合。
その研修内容を確認することにより会員による自己申請(受講時間認定申請書)の提出ができる会員かもしれない。
②負傷又は疾病による療養などの理由・公職についている・議会の議員・出産、育児、介護その他の理由で研修受講ができない場合。
その免除申請を促すことができる。36時間受講義務達成者数の割合も大切だが、0時間の会員の存在も受講時間36時間以上を義務化した税理士会としては重要な問題である。
東京税理士会による会員研修会・支部主催の研修会・マルチメディアを利用した研修会・ブロック研修会・オープン研修会・税理士会の認定した研修会等のほか各種団体業者の開催する有料研修会など様々な研修会が開催されている。会員は研修会のテーマにより研修会を選び参加をしている。

(3)今後の研修会


現在は会員個人が研修会を選択し参加している。税理士会主催の研修会で、登録時研修のような全会員が受講する研修会が必要ではないか。同時期・同一テーマによる研修を受講することにより、会員全体の資質の向上と見識・倫理観を保持することが重要だと考える。例えば3年一巡の税理士証票確認時に、品位保持に関する研修会の受講を義務とするなど。個々の税理士が、毎年の税制改正について研修するのは当然であるが、同一の研修内容を、一定期間内にマルチメディア研修で全会員に受講させることにより、資質の統一及び研修内容に含まれる情報の共有が図られ、会員の資質に維持向上が図られるのではないかと考える。

研修受講義務の履行等に関する情報の公表は、平成30年度(平成30年4月1日から平成31年3月31日まで)の事業年度の研修受講時間等の情報が、平成31年10月1日に日本税理士会連合会のホームページ(税理士情報検索サイト)に掲載される予定である。研修受講義務の更なる周知とマルチメディア研修の視聴・研修受講義務の免除・受講時間認定申請等の内容を会員に広報する必要があると思われる。また認定研修の取扱いについても今後検討する必要があるのではないだろうか。

「論」マイナンバー制度の検証

(税界展望 第527号)2017年(平成29年)11月8日

Ⅰ 個人情報委員会報告


平成29年11月1日、個人情報保護委員会(日本の行政機関の一つ)は、「平成29 年度上半期(平成29年4月1日~9月30日)における個人情報保護委員会の活動実績について」を公表した。その内容について、以下の通りいくつかピックアップした。

1.漏えい等事案に関する報告の受付状況等について

委員会に直接報告された漏えい等事案は290件であった。これらの多くは、書類や電子メールの誤送付であり、その他の発生原因としては、紛失、インターネット等のネットワークを経由した不正アクセス等であった。

2.特定個人情報の漏えい事案等に関する報告の受付状況等について

特定個人情報の漏えい事案等の報告の受付273件のうち、重大な事態に該当するものは、①地方公共団体において、約250人分の給与支払報告書(マイナンバーを含む。)を紛失した事案、②民間事業者において、プログラムミスにより約800人分のマイナンバーカード等の本人確認書類の画像データを削除した事案、③民間事業者において、火災により約 260人分のマイナンバーが記載された書類を滅失した事案である。また、受け付けた漏えい事案等の報告のうち主なものは、特別徴収税額決定通知書の誤送付等(152件)によるものである。

以上の報告により、マイナンバーを含む特定個人情報の漏洩件数が昨年同時期に比べて大幅に増加していることが明らかになった。平成29年4月1日~9月30日の期間にて届け出のあったマイナンバーを含む特定個人情報の漏洩は、224機関、273件にのぼり、昨年同時期の、49機関、66件と比較して約4倍になっている。給与支払報告書の紛失や特別徴収決定通知書の誤送付152件についてやはりあるなと感じた。

この報告からマイナンバー制度に伴い、事業者の個人情報管理コストは増加の一途をたどるばかりだが、一度漏洩したとなれば、顧客への被害や事業者自身の信用が落ちるなど非常におおきなダメージとなるため、事業者にはさらなる、誤送付防止、不正アクセス対策等管理体制強化をはかることが必要になる。

Ⅱ マイナンバー制度までの経緯


マイナンバー制度制定の起源は少額貯蓄等利用者カード(グリーンカード)の導入にある。1980年代に導入が計画された納税者番号を割り振って利子・配当所得といった小額資産性所得に対する日本の総合課税制度において、本人確認のために納税者番号を記載したカードのことで、マイナンバーカードと同じような手法である。1980年3月には、グリーンカード制度の導入が制定されたが、郵政省、郵政族議員、金融業界、それに自治労などから反対の声があがり、1985年度に施行されることなく廃止された。

国民を番号で管理し、税金を補足するという、政府の連綿とした思いがある。その後グリーンカード制度廃止の反省を踏まえ政府は住民基本台帳カード制度の導入を検討した。この機会に住基ネットを構築しておいて、ゆくゆくは納税者番号とつなぎ、全国民の所得と納税額を把握しようという思惑は当然あったのであろう。

住民基本台帳カードの交付は、2003年(平成15年)8月25日に開始され2015年(平成27年)12月限りで発行を終了した。発行された住基カードは累計920万枚だが、紛失などを除く有効発行数は710万枚で、カードを持っているのは全国民のわずか5.5%にすぎない。衆議院議員河村たかし君提出住民基本台帳ネットワークシステムの「費用対効果」に関する質問に対する答弁書(平成19年2月20日)によると、構築費用に380億年間経常費用は190億と記されている。合算すると、13年間で2,850億円になるのかな?

しかし実際には、当時全国で約3,000強あった各地方自治体でも、それぞれ1,000万〜2,000万円ほどの初期費用と、年間数百万円の維持費がかかっている。そうした費用を合計すれば、これまでに日本中で1兆円近い税金が、住基ネットに消えていったのである。そもそも、『利便性』とは何なのか『マイナンバーがあればコンビニで住民票が取れる』と言うが、それは住基ネットでもできた。

Ⅲ マイナンバー制度の今後


時事通信は、導入コストについて「システム構築費などの初期費用2,700億円に加え、運用開始後も維持費などで年300億円程度が必要になる見通し」(29/5/2付)と報じている。更にマイナンバーの製造・発行等に283億円の費用も追加されている。マイナンバー制度の導入から、平成30年1月で丸2年になる。

現在、個人番号は社会保障や税の手続きで提示を求められる。マイナンバーカードの交付枚数等(平成29年3月8日現在)の公表があった本年3月8日現在で、番号カードの取得は1,071万枚、全国で人口に対する交付枚数率はわずか8.4%であった。管理システムの不具合もあって国内人口の8.4%程度と伸び悩んでおり、政府はカードの利便性向上などでマイナンバー制度の浸透を図っているが普及率の向上という成果は得られていない。12年間で5.5%の普及率の住基カードよりは1年間で8.4%の普及率のマイナンバーカードのほうが普及に対する成果があったのかもしれないが今後爆発的な普及はあまり望めそうもない。

制度の根底にある国民総背番号制による監視国家(古いかな)を国民は理解しているのか疑問であるが、どうも国民は利便性について関心がないようである。以前あった、電子証明書等特別控除のような、より多くのインセンティブがなければ普及は難しいのではないか。まあ、国民に番号を附番することが出来たのでカードの普及率の向上は必要ないのかもしれないですね。

「論」税理士試験制度の改革を ―税理士を目指す若者を増やすために―

(税界展望 第526号)2017年(平成29年)10月13日

税理士受験者数が減っている


税理士試験を受験する人が年々減少している。国税庁ホームページで公表された税理士試験の科目別の受験者数を合計した延受験者数を確認すると、平成24年度(第62回)は計70,805人であったが、平成28年度(第66回)は計49,245人であり、この5年間で約30%の減少となっている。平成29年度(第67回)については、まだ合格発表が行われていないため詳細は不明であるが、既に判明している受験申込者数では、前年比で約6%、人数にして約2,800人の減少となっている。

税理士試験の受験者数が減少した一つの要因は「簿記・会計」を学ぶ若者が減少していることである。このことは数年前、大学入試センター試験で数学の試験時間に実施されている科目「簿記・会計」からの出題が、受験者数がきわめて少ないことから過去には廃止を含めて検討するとされたことからもうかがえる。廃止を検討するとはされたが、平成29年度に至るまで、大学入試センター試験においては、「簿記・会計」からの出題は従来通り行われている。ただ受験者数は全国規模でも千数百人に止まっている。

税理士試験制度の問題点


税理士試験制度そのものについては、何か問題点はないのだろうか。

まず、受験資格について。国税庁ホームページでは「税理士試験に関するQ&A」に受験資格について掲載されている。その中には「大学3年次以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者」という要件がある。ということは大学1・2年生から税理士試験を受けることはできない。同様に専修学校の専門課程においても「修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る」という要件がある。いずれも年齢からして20歳を過ぎないと受験資格はない。

税理士試験受験者数が減少している昨今、税理士を目指す若者にもっと門戸を開くべきであるという観点からすれば、これら受験資格を緩和して、大学1年生から受験資格を与える若しくは専修学校の専門課程の修業当初から税理士試験を受験できるという制度に改めてみてはどうだろうか。

なお、この点については、平成29年1月19日の東京税理士会支部長会において、又、翌1月20日の同理事会において報告された「税理士試験受験者数減少に対するアンケート(予備調査結果概要)」でも指摘されている。 次に、試験の結果公表について。試験結果は12月中旬頃に公表され、各受験者の自宅宛にも通知される。その通知の内容は合格であれば「合格」の事実が、不合格であればAランクからB・C・Dまで、自分の得点が合格ラインに対しどの程度足りなかったのかがわかるようになっている。

但し、受けた試験が、どの部分の問題が正しく解答できなかったのか、どの部分に配点があったのか、自分の得点がずばり何点であったのかはその通知からはわからない。もちろんその詳細を国税庁に個別に問い合わせることもできない。これではある程度できたと思っていても不合格の通知を受けた時は、その結果をそのまま受け入れる他なく、合格できなかった原因について自己分析もできないまま、翌年の試験に向けて気持ちを立て直さなければならない。このような経験をした人は多いはずである。

試験実施後に採点基準等の公表を


税理士法第7条に「税理士試験において試験科目のうち一部の科目について政令で定める基準以上の成績を得た者に対しては、その申請により、その後に行われる税理士試験において当該科目の試験を免除する」「政令で定める基準は、満点の60%とする」とされている。

ところが、先に述べたように、税理士試験はその採点基準や模範解答は一切公表されない。代わりに「出題のポイント」というものが科目別に公表されている。合否を含め、受験者にとって納得のできる情報開示がされていない。

たとえば司法試験では、「司法試験における採点及び成績評価等の実施方法・基準について」と題して、細かい採点基準を公表している。これと同様の採点基準は司法書士試験や公認会計士試験でも採用されているという。また、司法書士試験や公認会計士試験では、受験者が自らの答案を開示請求することが可能であり、複数の受験者が自らの答案を他者のそれと比較検討することもできる。

一方、税理士試験では、このような細かい採点・配点基準の公表はこれまで行われておらず、提出した答案の開示請求もできない。こうした状況が受験者の税理士試験に対する不信感につながり、結果として受験者数減少の一因となっている。

こうした税理士試験制度の改革こそ、今後税理士を志す人が増加に転じる一助となる。

ホームページの更なる充実を


最後に、税理士の業務がどのように紹介されているかについて、日本税理士会連合会のホームページを見ると、「税理士とは」「税理士制度」「税理士を目指す」といった一般的な内容や、「税についての相談」といった納税者向けの情報等が主な内容となっている。もちろん税理士の業務を紹介する学生向けパンフレットや動画の紹介もあるが、若い人を引き付けるという面ではまだまだ内容が乏しいように感じる。

公認会計士のホームページはどうか。日本公認会計士協会のホームページは今年リニューアルが行われたようであるが、メインページを見るとメニューは多岐にわたっている。公認会計士制度や仕事の紹介、最近の業界の動向、女性会計士の活躍、パンフレットによる若い世代へのアピール等、若い人を引き付けるには十分な内容を備えているように感じる。公認会計士による中小企業支援についても紹介されている。下記にURLを紹介しているので是非比較して頂きたい。

国税庁のホームページ 
https://www.nta.go.jp/

日本税理士会連合会ホームページ
 http://www.nichizeiren.or.jp/

東京税理士会ホームページ
 http://www.tokyozeirishikai.or.jp/

日本公認会計士協会ホームページ
 http://www.hp.jicpa.or.jp/

「論」消費税率10%への引上げについて約6割が見送るべきとしています

(税界展望 第525号)2017年(平成29年)9月14日

1.世論調査の結果


日々感じていることですが、税理士の顧客の中心となっている中小、零細事業者には消費税の負担は重すぎます。そんななか、株式会社時事通信社の平成29年9月の世論調査で、平成31年10月に予定されている消費税率10%への引上げについて尋ねたところ、「引き上げを見送るべきだ」が58.1%で、「予定通り引き上げるべきだ」の34.3%を上回りました。23.8ポイントも「見送るべきだ」が多い回答で、「増税による負担増に対する国民の根強い抵抗感が示された格好だ。」と報告しています。当初平成27年10月の予定だった消費税率10%への引き上げは、経済情勢を理由に2度にわたり先送りされています。中小、零細事業者はもともと生産性の低い役務提供を業としている者が多くて、消費税にはなじまない体質を持っています。

1.世論調査の結果


消費税率10%への引上げは既に法律で決まったことですが、2度にわたり先送りされたことを考えるともう一度消費税増税に賛成、反対の論点を確認してみることが大事です。

引上げの代表的な賛成意見は
(1)今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、高齢者は増えていきます。社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。
(2)ここ10年くらいで見ると、所得税や法人税の税収は不景気のときに減少していますが、消費税は毎年10兆円程度(地方消費税を除く4%分)の税収が続いており、税収が経済動向に左右されにくく安定した税と言えます。

これらに対して反対の代表的な意見は
(1) 消費税率を引上げたとしても、高齢化社会が進む中で社会保障財源はまかなえません。
(2) 経済が弱っている今の時点で消費税を引上げたら、景気がさらに失速してしまうし、まずデフレを解消することが重要です。
(3)消費税率を引上げる前に、財政の無駄をもっと徹底的に見直さなければ、国民の納得は得られません。政府が抱えている膨大な埋蔵金もさらに積極的に活用する必要があり、政府債務を過大評価して消費税増税を求めるのはおかしいのではないか。いずれももっともな意見ですが、日本銀行が踏み込んだ金融政策など、アベノミクスは中小、零細事業者に恩恵はあったのでしょうか。

2.もう一度消費税増税に賛成、反対の論点を確認してみると


一事業年度36時間以上の研修時間義務化は、平成27年度は、研修受講義務の周知徹底・平成28年度から施行された。東京税理士会の資料によれば、平成27年度の受講義務達成者数の割合は34.47%、平成28年度の割合は37.64%となっている。周知の効果があったのか多少増加した。平成29年度中間(9月)で受講義務36時間上達成者の割合は10.16%、平成28年度の中間は11.94%である。平成29年10月に受講時間が0.5時間から35時間までの会員に「平成29年度研修受講時間のお知らせ(中間通知)」を郵送した。

対象会員については、今事業年度残りの平成30年3月までに36時間以上を達成していただきたいとの趣旨である。平成29年9月末現在で、受講時間36時間以上達成の会員及び受講時間0時間の会員にはこの通知を省略した。達成した会員についての省略はいいとしても、中間で受講時間0時間の会員に何も通知しないのは如何なものかと考える。0時間の会員にも通知しその状況を把握する必要があるのではないだろうか。

①税理士会等が定める一定の研修は受講していなくとも、税理士法人等の社内研修又は市販のDVDの視聴などによる研修をしている場合。
その研修内容を確認することにより会員による自己申請(受講時間認定申請書)の提出ができる会員かもしれない。
②負傷又は疾病による療養などの理由・公職についている・議会の議員・出産、育児、介護その他の理由で研修受講ができない場合。
その免除申請を促すことができる。36時間受講義務達成者数の割合も大切だが、0時間の会員の存在も受講時間36時間以上を義務化した税理士会としては重要な問題である。
東京税理士会による会員研修会・支部主催の研修会・マルチメディアを利用した研修会・ブロック研修会・オープン研修会・税理士会の認定した研修会等のほか各種団体業者の開催する有料研修会など様々な研修会が開催されている。会員は研修会のテーマにより研修会を選び参加をしている。

3.日本税理士会連合会の建議書は


平成29年6月22日に開催された理事会で決定した平成30年度税制に関する建議書では 消費税については税率引上げを容認し、「今後の税制改正についての基本的な考え方」として「消費税は我が国の基幹税であり、これからの我が国の社会保障4経費(年金、医療、介護、子育て)を支えるのは、消費税である。消費税率の引上げによる国内消費の減速懸念の問題については慎重な対策が必要であるが、消費税率は予定どおり引き上げられることが望ましい。」としています。

そして重要建議項目の最初に「消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持について」として「軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること、逆進性対策として非効率であること、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となること等の理由から、日本税理士会連合会は、単一税率制度の維持を強く主張しており、この基本的な考え方は変わっていない。低所得者への逆進性対策としては、例えば、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配付する方法や、一定額の簡素な給付措置などによる消費支出の負担軽減策等を検討すべきである。(以下省略)」と、とりあげています。世論調査の結果とは違う方向です。消費税率を引上げなければ中小、零細事業者が負担する軽減税率(複数税率)制度の導入はありません。

消費税は政治に翻弄される


平成26年11月衆議院解散時に、経済状況などを勘案して判断したとして平成27年10月に予定していた消費税増税10%への引上げを延期し1年半先送りし、平成29年4月とすることを総選挙の争点にしました。平成29年4月の再増税は、再延期はせず、必ず実施する方針でしたが、平成28年5月に、国内外の経済に先行き不透明感が広がり、さらに4月の熊本地震による景気への影響の懸念から平成29年4月に予定していた消費税増税10%を2年半延期し、平成31年10月にすることが決定されました。

さて、衆議院の解散、総選挙が近々ありそうです。(既に解散しているかもしれません)大義なき解散、総選挙に消費税率10%への引上げが再々々度見送られるのか政治に翻弄されます。ここは国民の声である世論調査を尊重して、消費税率10%への引上げを凍結し、税率をもとの5%に戻すぐらいの英断が国民の消費を増やし中小、零細事業者に元気を与え、経済は活性化するのではないでし